なぜ、今、日本でDXが議論されるのか 〜 注45

公開: 2021年5月2日

更新: 2021年5月18日

注45. 退職準備金の企業による運用

終身雇用を前提とした日本の社会では、社員が退職時に受け取る退職金の一部を、給与からの積立金として拠出している例が多い。この場合、企業側は給与の一部を支払わずに、退職準備金に繰り込むことになる。つまり、企業側のマネーフローを見ると、この制度を利用すれば、企業の資金繰りを良くすることができるのである。米国などでも、退職金に相当する制度をもつ企業は存在するが、社員が毎月拠出する退職積立金の場合、企業にその資金の積み立てを任すのではなく、社外の金融機関に一任する方法が採られる。

このことから、退職積立金は、海外では企業にとっては特に、経営のために利用できる資金ではない。しかし、外部の金融機関の運用によって、ある程度の利益が確保される場合も多く、また、雇用主としての企業の財政状況が悪化しても、自分達の退職金の支払いに悪影響がないことから、従業員には有利な点もある制度である。2000年代に入って、日本企業の一部にも導入された401Kの制度は、米国の退職金制度を真似たものである。この場合、外部金融機関の運用が成功しない場合もあり、リスクも存在する。

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